exhibition "Tokyo Story 2010" 参加アーティスト:アンサンブル・モデルン、カールステン・ニコライ、下道基行、田村友一郎、mamoru |
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where the story started "2010年4月 トーキョーワンダーサイトに入居した。1年間滞在するその部屋は部屋はがらんとしていて、壁一面の大きな窓があって、ベッド、机、椅子があるのみ。青山通りからすぐ入ったところなのに、部屋には換気扇の音だけが聞こえていて、とても静かだった。 大きな窓から見えたのは、向かいのコンクリートでできた建物と、同じくコンクリートでできた中庭のような空間。中庭といっても草一本生えていない。ただ、抜群に陽当たりが良い。 本当はいろいろと考えていた事が他にもあったはずだったけど、その時の直感、というよりも「何かいきものがいればな」という気分的な要請はけっこう強くて、ちょうど「etude no.36 乾いた土に水を」という作品の構想があったので、思い切ってこのプロジェクトをここでやろう、と決めた。" photo: sutdio view, Tokyo Wonder Site Aoyama 2010 |
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installation view |
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壁:etude no.36 タベストリー、2011(no.36インストラクション、人参、トマト、スイカ、アメリカンチェリーの成長記録) |
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etude no.36 残りモノの庭 2010-11、サイズ可変 |
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”人参、大根、かぶなどを料理した際に残ったそれらのヘタ、西瓜、チェリー、トマトを食べた後に残ったそれらの種を、生活する中で際限なくたまっていく様々なプラスチック容器、使い捨てコップやペットボトルなどを組み合わせたお手製プランターに植えた。「水やり」の度に、プツ プツ プツと、音が響く。おもわずプランターを手に取って、耳を近づけてみる。幾日か経つと、芽が出て来る。 あれもこれもと植えているうちに、スーパーで食材を買う行為が妙に変化してきた。例えば人参を買う時などは、どうしてもヘタを見てから買ってしまったり、何かおいしそうなものは無いか、ではなく何か植えれそうなものはないか、と。そうこうしているうちに大きな窓の側には「残りモノの庭」が出来ていた。そう言えば、人参や大根、トマトの花も生まれて初めて知った。” |
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"展示終了間際の数日間、いくらか成長をとげたさまざまな苗は希望者に託され、それぞれの場所を得た" |
来場者とetude no.36レモン |
etude no.36 variation for American Cherry 2011、サイズ可変 |
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DVDより画像イメージ |
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story about an American Cherry "チェリーを食べた後、その種を植え、水をやり、音を聴く。繰り返しているうちに、気がつくと芽がでていた。さらに驚いた事にチェリーはすくすくと生長を続け、ひとつの映像作品もできたが、夏が過ぎた頃から葉ダニに食われ、いろいろ手を講じてみたが、枯れんばかりに弱ってしゆき、とうとう冬は越せなかった。その様子はあまりに痛ましくて、チェリーを食べた二人にも近況を伝えたりしたのだが、そのチェリー通信も途絶え、とうとう二人とチェリーは再会する事が出来なかったし、青山の部屋も同居人が減ったみたいで寂しくなってしまった。でも、まさかこんなに大きくなるとは思いもしなかったし、まだ種は幾つかとってあるので、また落ち着いたらどこかで植えてみようと思う。" |
アメリカンチェリーの枯れ木 |
etude no.36 variation for growing mandarin seeds from Nikitari village in Cyprus 2011, サイズ可変 |
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DVDより画像イメージ |
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story about a mandarin "キプロス島を訪れた際に、偶然バスで乗り合わせた農家のおじさんの好意で、彼の家を訪問し、ごちそうになり、お土産をもらった。もらったみかんを食べ、その種をキプロスで拾った石や、ペットボトルとともに持ち帰り、植え、水をやり、土にしみ込む音を聴き繰り返すうちに、それは目を出し成長をはじめた。" |
etude no.36 ニキタリのみかん |
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